占いを信じますか



2023.02.19
雨宮睦美


マドモアゼル愛の教え

女の人は全般に占い好きな傾向がありますよね。女性誌の後ろの方には大抵「今月の運勢」というコーナーがついていました。私も欠かさず読んでいて、いいことが書いてあるとちょっとだけ覚えていて、よくないことについては即座に忘れる、と言うのを繰り返していました。思い起こせばこれは小学生の頃からで、当時『My Birthday』という占い専門誌を愛読していたのです。この雑誌の画期的なところは、1ヶ月のざっくりした運勢じゃなくて、毎日何があるか、が12星座ごとに仔細に書き込まれていた点にあります。どうやって占っていたんだろう。販売日から入稿とか逆算していくと、相当前に原稿ができていないといけないですよね。当たるも八卦。

私はちょっとひねくれた子供だったので、毎日の占いに一喜一憂していたのではなく、ああ、この日は日曜日なのにどうして「授業中誰かと目が合ってドキドキするかも!」ってコメントが書いてあるんだろう?なんていうのを面白がって読んでいました。他の星座の分まで全部チェックしていたはずです。

この頃の女子小中生にとって、マドモアゼル愛先生という占い師は神のような存在だったことでしょう。実はおじさんだったと知った時の衝撃たるや、もう。

ロイヤル貴の忠告

ロイヤル貴先生というのは、赤坂の高級ホテルのラウンジで占いをしていた女性です。当時20代後半、ぼんやり生きていた私は、恋に悩む会社同期の友人ふたりの付き添いで、貴先生の元を訪れたのでした。せっかく来たんだから私も何か占ってもらおう、ということで、「とりあえず仕事運どうでしょうか」と伺ってみたところ…先生ため息をついた!「あなたは晩年運ね。人生80年だとして」(ここでおもむろにメモ用紙に線を引く)、「39までは何をやってもダメ」「はあ」「しかも気の毒なことに、あなたは気持ちが急く星を持っているから、人一倍つらいはず」「そうですかー」ここまでの占いで確か3000円。あと5000円出せば恋愛運も占えるよ、っていうのでオーダーしたのですが、…先生、もっと大げさに嘆くことに。「あなた、本当にご縁の薄い方だわ!」「ああ、そうですか」詳細忘れちゃったけど今ならまだお見合い、ご紹介という手があるからそれをつかめ、というようなアドバイスでしたね。

高いお金を払って私は何やってんだろう、って、さすがに少し悲しくなりましたね(笑)。でも今にして思うと、人生後半がうまくいくっていうことだし、実際若い頃より40過ぎてからのほうがなんだか楽しくなってきているので、結果オーライでしょう。検索してみたらロイヤル貴先生は今もご健在のようなので、ご興味ある方はどうぞ。

木に登る赤いサル

星占いだと私は山羊座です。山羊座って「冷静沈着、地味、生真面目、努力家、融通がきかない」性質があるとされています。守護星は土星。真面目で冷静なのはいいことだけど、つまらないことこの上なし。

毎月や日々の占いは読み流していながらも、この「山羊座なので私は地味で真面目でつまらないのです」という呪縛が、実は結構強かったのです。

ところが、ある時動物占いという新しい占いが出てきて、一躍大ブームを巻き起こします。私もやってみました。結果は「サル」でした。お調子者でおだてられるとすぐ木に登る!あれ?あれれれれ?何かの間違いかと思ってやり直すけどやっぱりサル。さらに、12タイプをより細かく分類した、進化版動物占いも試したら、「サルの中のサル。赤いサル。落ち着きのないサル」だったのです。やったー(なぜ喜ぶ)!

気にしてない風を装いつつ、自分が結構占いに翻弄されて生きてきたことがよくわかりました。次は占う側になってみたいなと最近思います。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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