自分さがしの旅



2021.06.24
寺崎慈子


私の仕事の一つに手織りを教えることがあります。

でも「教える」と言う意味が一般と少し違います。

普通「教える」という事は先生が技術を伝授するとかで、

先生と生徒の関係は上下だと思います。

しかし、私のやっている”さをり織り”の先生は、生徒の良い所を引き出す役なんです。

上下関係ではなく、人間としては同じで平等なんです。

ここが”アドラー心理学”の

親と子は人間としては同じで上下関係はなく、

たまたま、親子としてこの世に生まれてきているだけ。

会社の社長と社員は、人間としては平等だけど、

仕事上でそれぞれの役割をやっているだけという考え方と同じです。

なので、さをり織りに出会った時、アドラーと同じだなあ~と思ったのです。

   性格が分かる

面白いのは、織りだすとその方の性格とか癖が

良く分かるのです。

大人しく見える方も、織りの横糸を自分で選んで

シャトルを一段いれてもらっただけで、

え⁉と思うほど、実は内に秘めたものを持っていらっしゃるんだな~と

思うことがあるのです。

産まれて来た時に持っていた感性を、教育を重ねていくほどに押しつぶされてきたのですね~

だから本来持っている感性、言い換えると本来の自分を取り戻す作業が、

“さをり織り”でできるのです。

実は教えている方が、生徒さんから学ぶことが多くあります。

自分の固定概念を、打ち壊すほどの

色使いをする方があります。

       思いがけないほど素敵な作品に、

ご自身も喜ばれますが、

こちらも嬉しいのです。

なんと楽しい作業でしょう。

そういう時は、此処が素敵!

とか凄いね~!と本気で感心します。

     自分では気が付かれないことも多いからです。  

 

 

 さをり織りのスローガンは、4つあります。

 

1)機械と人間の違いを考えよう。

    2)思いっきり冒険しよう

        3)キラキラと輝く目をもとう

   4)グループのみんなで学ぼう

“さをり織り”は、自分探しの旅です。

 


寺崎慈子

50歳のときに大病にかかり、入退院を繰り返す。回復後、与えられた命に感謝するとともに、「これからの人生は自分の好きなように生きよう」と心に誓う。 「自分が本当にやりたいことは何か」と自問自答した結果、“歌”と“織り”にたどりつく。 その後、シャンソン歌手と織物作家になり、両方の夢を叶える。 60歳のときに自宅を改装し、『アトリエ&かふぇ悠遊』をオープン。若い世代に食や健康に関する正しい情報を伝えるべく、さまざまなイベントや勉強会を企画・開催している。


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