あきこ物語vol.16:脱出!



2020年11月15日
山崎聡子


伝わる話し方で影響力を最大化させたい人のための専門家

エグゼクティブボイストレーナー&司会の山崎聡子(やまさきあきこ)です。

 

 

(前回のお話「信じがたい事件2」はこちらをクリック)

 

えっ?!逆ギレ?!

さて、先輩のことは一段落し、わたしも気持ちがだんだん落ち着いてきて

日常を取り戻していました。

 

ここからはまた、映画出演に関してのお話です。

 

相変わらず、素人講師のレッスンが続いていましたが、いつまでたっても映画に関して

台本やクランクインの話がなく、「どうなっているのかな〜」と気になりだしました。

 

専務に「まだキャスティングの話や、台本をいただいたりはできないんですか?」と聞くと

「もう少ししたらもらえるから」と言われ、とりあえず待つことにしました。

 

しかし、いくら待てど暮らせど、その後もまったく音沙汰ありません。

 

オーディションに合格した時は、専務に

「すぐに映画の撮影に入るためのレッスンが始まるから、出来るだけ早く上京するように」

と言われ、私を含め、地方からの合格者は急いで上京したわけですが、

 

上京して2ヶ月が経っても、映画の撮影の話どころか、

キャスティングの話も、台本の話もなく、

レッスンは映画とは関係ない、声優学校卒の同期からのレッスンばかり。

 

ある日、専務にもう一度、「映画の台本はまだですか?」と聞きました。

すると、

 

「君はなんで同じことを何度も聞くんだ!!!」

 

と、なんと逆ギレ(゜o゜)

 

 

それでようやく、私は「ハッ!」と冷静になって気づきました。

 

「これは、映画の話なんて本当は最初からないんじゃないか!? 私たちは騙されたな〜!」と。

 

最初から振り返ってみて、よくよく考えてみると、マンション購入の話にしても、

寮として住んでいる家の表札が、同期の名前であることも、

レッスンが、別の同期が講師としてやり続けていることも、

映画のキャスティングも台本も撮影もまったく話がないことも、

どれもこれもおかしい!!!

 

しかも、私はしばらく貯金で生活をしていましたが、しばしば専務から、

「クレジットカードで新幹線の回数券を買ってほしい。お金はあとで返すから立替えておいて」

と言われ、そのたびにカードで回数券を買って渡していました。

 

引き落としはもちろん私の口座から。

貯金も底をつき、わずかな退職金が底をつくのもあっという間でした。

 

私が渡した回数券を専務は金券ショップで現金化していたんだろうなと

あとで気づきました。

 

だんだんお金もなくなってきて、

「これはやばい。すぐにでもここを辞めて出ていったほうがいい」

と思いました。

 

 

脱出!

なんとかしなきゃ、と考えていたある日。

 

私が小学生の頃から「お姉ちゃん」と慕っていた故郷の知人が、結婚して東京にいて、

たまたまその「お姉ちゃん」から電話があったので、現状を一部始終話しました。

 

お姉ちゃんは、私の状況を旦那さんに話し、二人で、

「あっこちゃんを迎えに行って、しばらくうちにいてもらおう」

と話し合ってくれたそうで、翌日、「今から迎えに行くから!」と電話がありました。

 

私の荷物は、ダンボールに2〜3箱くらいしかなかったので、

急いで荷物をまとめ、共同生活をしていた同期には

「私はもう辞めてここを出る」と伝えました。

 

お姉ちゃんの旦那さんが車で迎えに来てくれ、

しばらく居候させてもらうことになりました。

 

専務には、寮を出てから

「私はもう辞めます。寮は出ました」

と電話をしました。

 

専務は、

 

「自分と社長が喧嘩をして、自分が独立して別事務所を立ち上げることになった。

映画の話は、もとの事務所にあった話なので、社長の方に取られたけれど、

オーディションに合格した人たちは、自分が新しく立ち上げた事務所の所属ということになったので、

映画の話はなくなった。」

 

と説明してきました。

 

もう、これで完全に今までの話はすべて作り話だと確信しました。

社長がいるんだったら、上京してすぐに私たちは、社長に挨拶でもなんでも一度は会えたはず。

 

映画のタイトルは伝えられていて、「この映画の出演オーディションに合格」と言われてきたのに、

その映画に出られないとなると、これは契約違反ではないか。

でも、契約書は交わしていないし。

 

事務所なし、社長なし、映画もなし、そもそも何もなかった。

 

専務は、私のことは引き止めるわけでもなく、後を追うわけでもなく、あっさり縁を切ることができました。

 

が、縁を切ると同時に、専務とは連絡が途絶え、さんざんカードを使って新幹線の回数券を買った分の

お金が返ってくることもありませんでした。

 

専務と名乗るだたのおじさん。

家もなく、漫画喫茶か何かを宿に転々としていたんじゃないかと思います。

そう思ったのは、持ち歩いている紙袋に銭湯のタオルが入っていたのを見て。

いつも、裸銭を、ズボンやジャケットのポケットに突っ込んでいるような人でした。

 

芸能界って、いろんなことがあって、

きちんと見極めないと、足元をみられて大変な目に遭うところだと思いました。

 

(続きのお話「ジプシー」はこちらをクリック)

 

 

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伝わる話し方で影響力を最大化させたい人のための専門家

『エグゼクティブ ボイストレーナー』

山崎 聡子(やまさき あきこ)

 

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山崎聡子

持ち前のコミュニケーション能力で役員面接だけで就職が決まり、会社初の女性営業職として活躍。そのかたわら人気の劇団にも所属し、各種公演やCM出演などもこなすマルチな才能を持つ。企業イベントの専属MCの時に「声」の持つ大きな可能性に魅せられる。 司会業に本腰を入れ、ボイストレーナーとしての仕事もスタート。あがり症の人やコミュニケーションが苦手な人、企業の経営者など多くの団体や個人にレクチャーを行う。新たに対面はもちろんオンラインでの取材動画作成など、さまざまな形で「声」に関する事業も展開中。



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