五感シリーズ 視覚編
五十嵐千景
LABELS ARE FOR CANS NOT FOR PEOPLE
2016年。
ラマダンを迎えた中東に対してのメッセージをコカコーラの缶を通して世界に発信したコマーシャル。
ラマダンを迎えた中東に対してのリスペクトの意と、イスラム国関連の事件により中東の人に差別や偏見を持っている人たちへのメッセージを含んだ缶というのがこちらです。
文字がないデザインになって、そして白い線とともに
「labels are for cans not for people」
という文字だけが残されています。
つまり「ラベル(外側から見えるもの)は缶のためにあるのであって、人(外見)の為にあるのではない」という意味です。
このデザイン(外見)なしの缶は「外見」を取り除くことによって、人々が持つそれぞれの外見への偏見を取り払おうというアイデアから生まれたらしいです。
このCMはとても興味深いです。
[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=84OT0NLlqfM[/embedyt]
人は初対面の人を判断する時、6秒しか使わないと言います。
ほとんどの部分を外見で判断しているということになります。
そういったことを含め考えたのが外見のイメージを無くし、全てを同じにすること。
外見偏重主義、人種差別、既成概念、先入観など。
世界の人々がそれぞれ持つ偏見をなくすことはどれくらい時間がかかるかわかりません。
人間の五感のひとつである、「視覚」は、目から入ったものが神経を通して情報として脳に伝わります。
視覚からの情報量は最も莫大であると言われています。
本当に大切なものは視覚化されたものではなく、目にみえない感覚であると思います。
もしも視覚がなければ、国籍も背の高さも気にしなくて済む。
その人らしさを美しいと感じられるようになります。
本来、人々は正しいこと・良いことをして、お互いを思いやる心があります。
美しさとは感じること、喜び生きるという事を体感することだと思います。
あなたにとって本当に美しいもの、大切なものが何なのか。
目を閉じて自分の心を観察して改めて考えてみませんか?
きっと心の中に美しいものがあるでしょう。