ブラダル司会者はみた!⑦サプライズ強要



2023.04.01
長谷川文


サプライズは定番?!

『サプライズ』をされたら嬉しい人と困る人、人それぞれですよね。サプライズを仕掛けるのが大好きな人もいます。私もかつてはサプライズ大好き人間でした。(いまも好きですが。)

ブライダルプランナーは新郎新婦や来賓のみなさんを楽しませるために、色々な提案をしてくれます。ただ、楽しい提案をしなくては!と義務になっている雰囲気もありちょっとかわいそうになってしまうこともありました。

 

その提案、却下!

以前、友人の結婚式で司会をした時のお話です。新郎は海外出張で不在だったので私が一緒に打ち合わせにいっていました。友人が「ちょうどお誕生日の友人がいるので、簡単にお祝いできませんか。」」とプランナーさんに聞いていました。そこで、プランナーさんはある提案をしました。「素敵ですね!その方はサッカー部出身なのですね。そうしましたら、サッカーボールを用意して、そこに来賓のみなさま全員からバースデーの寄せ書きをしていただいたらどうでしょう。」

そして、新婦が明らかに答えに困っているというのに、プランナーさんは半ば強引にすすめようとし出したのです。

ますます困る友人に私は助け舟を出しました。「ちょっと待ってください。おもしろい案ですが、私はそのお誕生日の方を知りません。来賓の半分は知らないと思います。バースデーのお友達も知らない人からメッセージをもらったとしてもどうなんでしょう。」

プランナーさんはあまり納得していない様子でしたが、その案は却下させていただきました。

 

プランナーは総額の10%

プランナーさんをいれると、プランナー料として披露宴の総額の10%がかかります。プランナーを入れないという選択肢はないようでしたが、10%というのは相当な金額です。そのプランナーさんをみていると、サプライズを提案するのに必死な様子でした。きっとまだ慣れていないのでしょう。経験も少ない中、会社側からサプライズを提案するように強く言われているのではないかと、心配になってしまうほどでした。

披露宴もミスが目立ち、あまりにミスが多かったので披露宴の後に書き出してみるとレポート用紙2枚ほどになっていました。新郎新婦にとっては一生に一度の晴れ舞台なのです。その会社はたくさんの数をこなすために、ピヨピヨとまだ育っていない新人プランナーをどんどん独り立ちさせているとしか思えませんでした。

今回のことも、以前ブログに書いた失踪事件も、プランナーというよりは、会社側に問題があるように思います。

司会者としてできることは、披露宴を無事にお開きへと導くこと、そして、新郎新婦に寄り添って最高の一日を一緒に作り上げるお手伝いをすることだと思っています。


長谷川文

東京都世田谷区で生まれ育つ。 大学卒業後、テーマパークに勤務。接客をはじめ、キャラクターの30周年イベントやバースデーなどの企画運営に携わる。館内での結婚式の司会やプレス発表、こどもイベントのMCを経験するうちにかねてから憧れていたアナウンサーの世界へ飛び出すことを決意。 退社後はフリーアナウンサーとなり、結婚式や企業の決算説明会、懇談会などの司会者として活動。感動のお手伝いをする司会の仕事はとても楽しく、現在も司会を通した社会貢献をテーマに活動の幅を広げている。 東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式のコメンタリーガイドとして国立競技場で音声ガイドも担当。 現在は3人のこどもを育てる傍ら、FMふっかちゃんパーソナリティやアナウンス講師として活動。その他、小学校や子育て支援センターなどでの読み聞かせボランティアもしている。


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