ある少年との会話
内野順子
こんばんは!福岡の葬儀司会者&終活カウンセラーの内野順子です。
ある日のご葬儀のお話です。 開式前、式場で1人段取りを確認していますと、小学校3年生位の男の子が入って来ました。 そして私に言いました。
男の子「1人で怖くないんですか?」
私「怖い?どうして?」
男の子「だって…オバケとか出そうだから」
なるほど。私は男の子を促し、ご尊前へ行きました。
私「このおばあちゃんは、君の誰かな?」
男の子「えっと、僕のお父さんの叔母さんです」
私「そっか、じゃ、オバケってなぜでるのかな?」
男の子「それは…たたりとかそういうのが…テレビで見たから」
私「そうだね、その人に嫌な事や悪いことをすれば、たたりがあるかもね。君のお父さんとこのおばあちゃんとは、仲が悪かったの?」
男の子「いえ、すごく可愛がってくれたらしいです」
私「だとしたら、オバケじゃなくて、君を守ってくださる霊になると思うよ。きっと。 今日これからお葬式があるから、おばあちゃんの為に一生懸命祈って下さいね。そしたら、君はずっと守られて元気でいられるし、君が大きくなって結婚して、子どもが生まれたら、君の子どもも元気になる。おばあちゃんからいのちを受け継ぐのだから。」
男の子「ほんとうですか」
私「ほんとうだよ」
信仰を教える時、見返りを言うのは違うのかもしれないけれど、子どもに話す時はそれでもいいのかなと思います。
要は「いのちを受け継ぐ」ということが分かってもらえればいいと思いますね。
葬儀の間、男の子はずっと神妙な面持ちで、手を合わせていました。 火葬場へ向かうバスに乗る時、私にぴょこんと頭を下げて行った彼。 きっと、守ってもらえますね。
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