太宰府さんぽ・2023夏②
内野順子
こんばんは!福岡の葬儀司会者&終活カウンセラーの内野順子です。
太宰府に来たら、ぜひ食べていただきたいもの。 「梅ヶ枝餅」。
これにはこんなお話が。
菅原道真公が大宰府へ権帥として左遷され悄然としていた時、安楽寺の門前で餅を売っていた老婆が、元気を出して欲しいと軟禁されていた部屋の格子ごしに道真公に餅を供し、その餅が道真の好物になりました。この差し入れの際、手では届かないため梅の枝の先に刺して差し入れたというのが由来とされており、絵巻にものこっています。道真公の死後、老婆は餅に梅の枝を添えて墓前に供えたということです。
ということで、太宰府天満宮の参道にはあちこちに「梅ヶ枝餅」を売るお店があるのですが、私がよく立ち寄るのは、御本殿の裏手に静かに佇むここ。
「お石茶屋」。
「お石」というのは、このお店の旧店主のお名前。本名は「江崎イシ」さんといいます。色白のべっぴんさんとして広く知られていた女性で、筑前三美人のひとりにも数えられたほどでした。 その美貌と気風の良さは東京まで響いて多くの人がお石茶屋に立ち寄ったそう。
皇族の高松宮殿下、詩人の野口雨情、歌人の吉井勇、政治家の犬養毅、緒方竹虎、外交官の松岡洋右、「電力の鬼」と呼ばれた松永安左衛門等々・・・佐藤栄作元首相も国鉄二日市駅駅長時代から大臣になっても度々訪れていました。 さだまさしさんも「飛梅」という曲に「お石茶屋」を歌い込んでいます。
お石さんは明治32年生で、昭和51年5月14日他界。生涯独身で、享年76歳でした。今の店主は、お石さんの姪の娘さんです。
これが「梅ヶ枝餅」。この日は「珈琲セット」をいただきました。 お土産として持ち帰りもできますが、ラップで包まれると、餅がしっとりとするので(それはそれで美味しいのですが)、ぜひ、茶店で食べてほしいです。外皮がカリッと焼けた餅はなんとも言えぬ美味しさ! 帰りにおみくじを引きました!おー、幸先いいぞ!
花菖蒲は見頃を過ぎていましたが、紫陽花はまだまだ盛り。
一年中賑わいを見せる太宰府天満宮です。