甘い誘惑
雨宮睦美
脳が欲しがる甘いもの
久しぶりのバイオリンレッスンからの、寄り道。人間は矛盾だらけの生き物です。私も「甘いものはちょっとね」とか言いながら、こういうのをかなりの頻度で食べている。脳が何者かに支配されている感じがします。本当は必要がないのに、あたかも摂らないといけないように、圧力をかけてくる。それでも、フラッペチーノを頼んで飲みきれずに泣かなくなっただけ、多少は成長していると思いたい。生クリームとチョコレートは好きなのです。あと、パサパサのシフォンケーキも。
焼き菓子が苦手
いろいろ試してきて、今のところの結論は、どうやら「しっとり/ずっしりした焼き菓子がダメ」。最たるものがマドレーヌとフィナンシェです。小鳥がついばむ分量くらいしか受け付けません。クッキーやビスケットはパサパサなら大丈夫。昔ながらのバウムクーヘンは好きですが、最近は生地が妙にねっとりしていていけません。
私はアマチュアのオーケストラ団員なのですが、演奏会にいらしてくださる人々が手土産に焼き菓子をお持ちになる確率が非常に高く、気持ちは嬉しいのだけれど食べられない!ということがよくありました。だからといってあらかじめ「くれるならお花にしてね」なんて言えないし、コロナ禍で差し入れ禁止になったことで、少し肩の荷が下りたのです。めんどくさいやつ。
料理に砂糖はダメ、絶対ダメ
ところでお菓子はまだいいんです。問題は食事が甘くなること。日本は塩には厳しいのに砂糖に甘いんですよ、どういうわけか。果物もどんどん糖度が高くなるし、ニンジンもトマトも甘すぎる。じゃがいもまで最近は甘い品種が人気だといいます。そんなのサツマイモに任せとけばいいのになぜ?
ご飯のおかずが甘いのは、どうしても嫌なので、私は自分で作る料理に砂糖は使いません。せいぜい煮物にみりんを入れるくらい。梅干しがはちみつ漬けになってるのには、憤りを覚えます。健康が、といわれても、昔ながらのしょっぱくてすっぱいのがいいです。
ついでに書くと、サラダにオレンジを混ぜたり、カレーにリンゴを入れるのもイヤです。
外で食べるもの、買ってくるものにはどうしたって砂糖がたくさん入っているし甘い味つけのものも多いので、仕方ないですけれど。