緊迫のバスタイム



2023.02.28
雨宮睦美


一刻も早く出なければならない

私は毎日お風呂に入ります。浴槽にもよほどの例外を除いて、夏でも必ずつかります。でも、それは義務としてやっているだけ。入浴時間がリラックスできるかと聞かれたら、答えはNo!です。お風呂ではいつも、「一刻も早くここから出なければならない」と思っているので、バスタイムは休まるどころかとても緊張感のある時間なのです。

衣服を着ていないため、例えば「もし今玄関のピンポンが鳴ったら」とか「もし今大地震が来たら」と思うと、くつろぐことができないんです。周りの人が「お風呂で動画を見る」とか「本を持ち込んで読む」とか言っているのを聞くと、出てからゆっくり見れば/読めばいいじゃないの?と不思議に思います。

 

温泉もくつろげない

こんななので、温泉も苦手です。家のお風呂よりは非日常感があって多少緊張は緩和されるものの、「もしここで熊が現れたら」とか「もし今旅館が火事になったら」とか、ありえない妄想でやっぱり「一刻も早くここから出なければならない」と感じてしまう。出てきて浴衣や寝間着に着替えるとホッとします。1日に何度も入る友人が信じられません。そんな人は温泉に行かないほうがいいので、ほとんど行くことはありません。

寝間着だって裸と大差ないような気もするんだけど、どうもダメなんです。お風呂場では、敵がいつどこからやってくるかわからない、みたいな臨戦モードに入ってしまうのです。前世はスパイだったのか。

 

日本人のお風呂意識

世の中の人はお風呂をどう思っているんだろうと調べてみたら、今年2月に実施されたというこんな調査結果が発表されていました。クロス・マーケティング社の「お風呂に関する調査」。以下結果を抜粋してご紹介します。

https://www.cross-m.co.jp/report/life/20230208bath/

・3人に1人は「お風呂が面倒」

・面倒なのは「髪を乾かすこと」、気になるのは「浴室・脱衣所の寒さ」

・お風呂について良いと思うことは、「身体を清潔を保てる」「身体が温まる」「身体の疲れ・緊張がほぐれる」「リラックスできる」。<図2>

・お風呂について面倒と感じることとしては、「入浴後のヘアドライ」「シャンプー・リンス・ボディーソープ等の詰め替え」「髪を洗うこと」がTOP3で、髪の毛に関するケアがハードルとなっている様子。<図3>

緊張するという人はいないんですね。やはり私が変なのかしら。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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