緊迫のバスタイム
雨宮睦美
一刻も早く出なければならない
私は毎日お風呂に入ります。浴槽にもよほどの例外を除いて、夏でも必ずつかります。でも、それは義務としてやっているだけ。入浴時間がリラックスできるかと聞かれたら、答えはNo!です。お風呂ではいつも、「一刻も早くここから出なければならない」と思っているので、バスタイムは休まるどころかとても緊張感のある時間なのです。
衣服を着ていないため、例えば「もし今玄関のピンポンが鳴ったら」とか「もし今大地震が来たら」と思うと、くつろぐことができないんです。周りの人が「お風呂で動画を見る」とか「本を持ち込んで読む」とか言っているのを聞くと、出てからゆっくり見れば/読めばいいじゃないの?と不思議に思います。
温泉もくつろげない
こんななので、温泉も苦手です。家のお風呂よりは非日常感があって多少緊張は緩和されるものの、「もしここで熊が現れたら」とか「もし今旅館が火事になったら」とか、ありえない妄想でやっぱり「一刻も早くここから出なければならない」と感じてしまう。出てきて浴衣や寝間着に着替えるとホッとします。1日に何度も入る友人が信じられません。そんな人は温泉に行かないほうがいいので、ほとんど行くことはありません。
寝間着だって裸と大差ないような気もするんだけど、どうもダメなんです。お風呂場では、敵がいつどこからやってくるかわからない、みたいな臨戦モードに入ってしまうのです。前世はスパイだったのか。
日本人のお風呂意識
世の中の人はお風呂をどう思っているんだろうと調べてみたら、今年2月に実施されたというこんな調査結果が発表されていました。クロス・マーケティング社の「お風呂に関する調査」。以下結果を抜粋してご紹介します。
https://www.cross-m.co.jp/report/life/20230208bath/
・3人に1人は「お風呂が面倒」
・面倒なのは「髪を乾かすこと」、気になるのは「浴室・脱衣所の寒さ」
・お風呂について良いと思うことは、「身体を清潔を保てる」「身体が温まる」「身体の疲れ・緊張がほぐれる」「リラックスできる」。<図2>
・お風呂について面倒と感じることとしては、「入浴後のヘアドライ」「シャンプー・リンス・ボディーソープ等の詰め替え」「髪を洗うこと」がTOP3で、髪の毛に関するケアがハードルとなっている様子。<図3>
緊張するという人はいないんですね。やはり私が変なのかしら。