真珠とダイヤモンド
雨宮睦美
ネットから画像を拝借しました。桐野夏生さんの新刊です。私はどうもこの方苦手(「OUT」で、弁当工場勤務の主婦たちが、うち一人の夫を殺してバラバラにするっていう場面が凄惨過ぎて耐えられませんでした)なので、たぶん読まないと思うんだけど、題材は興味深い。バブル期。
少し前に、前職(広告代理店)の先輩がSNSに挙げていたことが、ずっと頭の中にあったんです。何かというと、これ。
・・・先ほど30代前半のキー局女性プロデューサーと話をしていたら、「昭和の時代劇って作るのが難しいんです」と告白されました・・・
30代の人にとって、もはや昭和は「時代劇」の時代なのである、ってこと。仕方ないのかもしれないけど、当の昭和世代にとっては、結構衝撃的ですよね。
別の先輩が大学で講義していた時に「アメリカと日本が戦争して・・・」と言ったら「嘘!日本はアメリカとなかよしじゃん」と驚いた学生がいたという話もありました。「だったら原爆を投下したのはどこの国だと思うのか」と聞いたところ、「北朝鮮?」って言ってたそうで、歴史を風化させてはいけない、ってよく言うけれど、こうやってじわじわと風化は起きていくんだなと思いました。「戦争を知らない子供たち」だった団塊世代が、もう後期高齢者にさしかかっているわけですから。
で、昭和時代劇に話を戻すと、おおよそ20年ごとに、3つの時代に分かれるのだろうなと思うわけです。
●前期:あれよあれよと暗い影が差していって軍事化する、第二次世界大戦の前から終戦まで。
●中期:戦後の復興と工業化で日本が急激に高度成長するまで。
●後期:経済が発展しすぎて世の中がおかしくなったバブルの幕開けまで。
私自身が体験しているのは後期だけです。こうしてみると、やはり「時代劇」感が強いですね。
バブル期に関しては揶揄する映画が作られたり、いろいろ書物も出てると思いますが、結構皆間違ってるのは、「バブルってイケイケのおねえさんたちがジュリアナのお立ち台で扇子振ってた時代」っていうやつ。ジュリアナ東京ができたのは平成になってからだし、盛り上がっていたのって、すでにバブルが崩壊しかけていた→完全に弾けた後なんだけど。まあいずれにしてもジュリアナ行ったことない私には関係のない世界ですけれど。。。
そう遠くない未来、私たちが後期高齢者になる頃には、「昭和に武士は何%くらいいましたか?」とか、「バブル時代には芸者が扇子を持って踊っていたんですか?」とか、真顔で聞く若者もたくさんいそうな気がします。