蛙と蛇
雨宮睦美
ネットニュースを見ていて初めて知った「蛇化現象」。Z世代の若者たちの間で流行っている言葉で、「蛙化現象」と逆の意味を持つのだそうです。もうその時点でなんのことやらわからないうえに、解説を読んでいくと「蛙化現象」は本来の意味と違う意味で使われ出しているんだって。本来って何?そんな言葉あったの???
ご存じの方もいらっしゃるのでしょうが、私と同じくキツネにつままれている(いろんな動物が出てきてイソップっぽくて楽しいですね)人のために、説明していきます。
●蛇化現象
好きな人の失敗や、カッコ悪い姿のこともそのまま受け入れること。蛇が何でも丸呑みするところから、人気TikTokerが使って広まった言葉。ちなみにこのTikTokerは「こちゃもちゃ」という、フォロワーが12万人いるカップルだそうです。深入りしないでこの辺にしておきましょう。
「恋は盲目」や「あばたもえくぼ」と同義で使うそうですが、蛇になるのはこの場合誰なのかって言うと、相手を見ている自分ですよね。好きな相手のダメなところもかわいいなと思う自分が蛇化する。言葉の使い方の感覚が昭和世代にはピンと来ませんねえ。
●蛙化現象(進化版)
こちらは、蛇の逆で、いいなと思っていた相手のダメな部分、みっともない姿を知って幻滅すること。ん?王子様だと思っていた相手がカエルだった!がっかり!ってこと?蛙の王子の童話って、蛙にも優しく接していた女子が、呪いが解けて人間に戻った王子に求婚されるお話じゃなかったっけ。
実際に若い子たちはいつどこで「蛙化現象」というワードを使うのだろう。
「こないだの彼どうなった?」
「え?あれまじ蛙化現象で無理なんだけど」
なんていうのかしら。むむむ。
●蛙化現象(元の意味)
いいなと思っている相手が、自分に興味を持っていると知ったとたんに醒めてしまう。あ、それはわかる。私は若い頃そうだった。と思ったが、いろんな解説を読んでいると、「そもそも生理的に気持ち悪い」という元も子もない説もあるそうです。
まあそんなわけで、すっきり理解することはできませんでしたが、こんな言葉があるんだって、というお知らせでした。