歌う女



2023.08.08
雨宮睦美


音楽が鳴っていると、それをなぞって口ずさみたくなります。知らないメロディーでも大体一度聴けば覚えるので、気に入ったフレーズに出合うと、いつまでも歌っている。気に入らなくても、脳裏にこびりつくと振り払うのに時間がかかります。オケの練習が終わると、駅までの帰り道に大抵なんか歌っている私。

 

まあ曲の旋律の場合は、周りに仲間もいるし、小声だし、歌いながら歩いていたとしても問題はないと思うんですけど、これが動物の鳴き声にも適用されるのです。

 

どこかの家の玄関先で犬が吠えてると、呼応して鳴いてしまう。向こうから猫が歩いてくるとンニャーと言って追いかけてしまう。ここまでは条件反射だとして、時々、オレオレ詐欺よろしく何者かになりすまして、眠っている犬に「くーん、くーん」とすり寄ってみたり、人の家の猫に猫として話しかけたり、もやめられません。相手が騙されてくれるとすごい達成感が味わえます。

 

さらに、犬猫にとどまらず、鳥もです。アー、アー、アーとカラスが鳴いてると返事したくなるし、最近あまり見かけなくなったけど鳩の独特のポーポポッポポーとか、夏と言えばセミ。ミンミンゼミ限定でどうしてもマネしてしまう。ミーンミンミンミーン、ミーンミンミンミンミンミーン。気づくと一緒に唱和していたりして、しかも変拍子のリズムがぴったり合った時の快感といったら。こうやって書いているとかなり危ない人なんですね私は。

 

これが「踊り」になると、何度見ても再現できないので、人間、向き不向きがあるってことだなあと思います。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya/


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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