あこがれの生き方!
寺崎慈子
美術家・篠田桃紅さんが3月1日に亡くなりました。
「人生は一人でも面白い」と言われ、107年の人生を生涯独身で通された独学の書家です。
『「女の人は一人で生きていたら可哀そうだ」なんて、どんでもない。
日本の男の人ってうぬぼれているんですよ。自分たちは女性を幸せにする力があるんだと思ってる。
人が人を幸せにしうるなんて、無理です 』
「個性」と言う言葉は使われなかった戦前の女学校で、
自分の気にいる形に制服のスカートのひだを改造した勇者!
習字で手本をまねることに違和感があったという。
「それは偽物を作るっていうことだから、それがうまいと点が良くなるって、変じゃない?」
この考え方は、私が関わっている「さをり織り」の創設者・城 みさを(故人)さん
の言われる精神と同じだと思う。
最も大切な自己、自分だけの人生をいかに生きるかが、
私たち一人ひとりにとって大切なのだ。
『「さをり」織りでの先生の役割は、その人の良い所を引き出す役』
『先生の作品を真似るのではなくて、糸を織るのでなく
「自分を織る」のが「さをり織り」』なんです。
篠田さんは、「わがままと言われました。話題になるのは、私が珍獣だからでしょ?
私はみんなが珍獣であればいいと思う。 人のことなんか気にしないで、
自分なりのやり方を通せばよい」と最後に笑ったそうです。
彼女たちは、私たちに「自分の価値観で考えていますか?
自分の価値観で観ていますか?」と問いかけているようです。
ご冥福をお祈りします。