お寺さん裏バナシ
内野順子
こんにちは!福岡の葬儀司会者&終活カウンセラーの内野順子です。
仕事柄、毎日たくさんのお寺さんとお会いします。世間では「坊主丸儲け」などと言われますが、梨園と同様、生まれた時から将来が決まっている家業というのは、私たちが思っている以上に大変なことも多々あるのだろうと思います。
ある日のご葬儀、導師との打ち合わせの時、 「おかみそりはご持参でしょうか?」 とお尋ねしました。「おかみそり」とは、故人が仏弟子となるために、導師が故人の髪に剃刀を当てて剃髪する儀式。
葬儀では、ステンレス製の小刀をお棺の窓に当てて切るような所作をされます。見たことがある方もおられるはず。
⬆︎これがおかみそり。 おかみそりは、ご持参される時もあれば、葬儀社のものを使われる方も。
その導師は、
「ウチの寺は貧乏やけん、おかみそりが買えんとよ。だからそっちで準備して」
おかみそりはだいたい1万円前後。私が笑いながら「またまた、何をおっしゃいますか」と言うと導師は、
「いやホントよ。ウチはね、長男は二浪して私立大やし、次男は東京の大学、その下の娘は私立高なんよ〜学費でおおごとで、だからおかみそりも買えんとよ。坊守(寺の奥さん)は、俺に小遣いもくれんとよ〜(とスネる)」
私に言われても困りますが。
この話は冗談としても、お寺さんも生活人。台所事情もあり、しばしば本山への出張や、時にはインドへ修行や勉強に行かれたりもしています。入るものも多ければ出るものも多い様子。中には給料制のお寺もあるそうで。 私たちが思うほど潤っているとも言えないのかも。
お寺に近寄り難いイメージをお持ちの方もおられるでしょうが、ほとんどの住職はフランクで優しい方です。菩提寺をお持ちの方は、機会が有れば住職とお話をされることをオススメします。いろいろ興味深いお話をお聴かせいただけますよ。
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