美しい物は消えていく
寺崎慈子
最近私は、着物づいています。
二人目の母が、日舞をやっていて着物も周りに揃っていました。
それを横目に見ながら「背が高い私には着物は似合わない」と一切興味を持たなかったのです。
が、大人になってから、「あなたは着物が似合う人ですよ」と言われることが多くなり、
へ~⁈とビックリすることとなりました。
最近、再会した日舞の先生も
「前から貴女に着物で舞わせたい!と思っていたのよ」
と言ってくださったのです。
良い年になった今、
着物の生活をしたい
と思うようになってきました。
すると今年になって「着物お譲り会」を開催しておられる結城紬の先生をはじめ、
普段から着物を着ている方たちと繋がることができたのです。
かたや、私のやっている”さをり織り”の創設者、城みさをさんは、
「ああ~美しい物が消え失せた、その美しかった姿を知る人さえも少なくなった」と嘆かれて、
余りに美しかった着物のイメージを捨て去ることはできなくて~
美しい着物に代わるものを創り出したいと、
日本人の顔にあった老年の服をと、その想いを織りに託したのでした。
私は、遅まきながら老年の着物姿の美しさを再現させようと思います。