イタい頃のファッションの話
長田広美
その服じゃダメって。。。
こんにちは
長田広美です。
1980年代半ばごろの話。
多くの有名ブランドのファッションショーを手掛けるスタイリストのアシスタントとして超多忙な毎日を頑張っていた頃のこと、ある時、私はパリコレに連れて行ってもらえることになりました。
パリで関わるブランドは3つほど。約2週間くらいの滞在です。
出発前に、師匠から、「その格好、なんか違うのよね。先輩アシスタントから服を借りていくように。」と言われました。
当時、20代半ばの私の格好といえばDCブランドと言われる、いわゆる原宿に良くいるファッション系のちょっと派手めな女の子、という感じのものでした。
「なんで?おしゃれしてるのに、なんでダメ?これ、人気の〇〇ブランドのなのに、、、」
師匠はといえば、冬はたいてい、ジャケットに黒タートルにジーンズ、夏もシャツにパンツとか、大した格好してるわけでもないのに(失礼!)なんで私の格好はダメなんだろう???
と、当時の私は頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりながら、先輩から借りた千鳥格子のジャケットを持って、パリに旅立つことになりました。
私のファッション出身地
今ではわかります。
当時、20代の私のファッションがイタかったということが。(笑)
その頃の私が服に見ていたのは、「形」「色・柄」「ディテール」という、表面的なところばかり。
定番ファッション、というところを通過していなくて、高校の制服からいきなり突飛なファッション専門学生という道をたどった私のファッションは、ファッションの基本も、定番アイテムの魅力や質のいい素材も何もわかっていなくて、ただただ、何の脈絡もなく面白いと思ったアイテムを組み合わせているだけの、お菓子で言えばジャンクフードみたいなものだったんですね。
こんな子を、エレガンスの都、パリに連れて行くの、恥ずかしかったんだろうなぁ、師匠は。
しかもそうでなくても欧米では極端に若く見られる日本人。ティーンエイジャーを連れてきたって思われてしまうと心配したのかもしれません。
今では笑える話です。
今が旬のコンサバファッション
そんなところが出身地の私ですが、その後にたくさんの素敵なファッションの洗礼を受け、定番ファッションを素敵に着こなすパリジェンヌや、自分の魅力の表現の仕方を熟知しているイタリア女性に憧れたりもしながら、毎シーズン、毎シーズン、様々なテイストの素晴らしいコレクションに触れて、少しずつ、ファッション偏差値が上がっていきました。
今では、何よりも素材が一番大事、素材次第でとてもシンプルな服がとびきりおしゃれなアイテムになる、そんな服を愛しています。
イタかった当時も、想い起こせば愛おしいものです。
誰にでも、どんなことにも初心者マークはありますものね。
ここ数年、ファッションのトレンドはコンサバになっています。セリーヌが仕掛けたこのトレンドですが、今風のコンサバ、すごく素敵だなと思います。
ファッションに迷ったら、定番アイテムと今旬のコンサバアイテムを組み合わせて、
「新しいコンサバ様式?」に挑戦してみてはいかがでしょうか?
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こちらにも記事を書き始めました。
「初めまして。ファッションスタイリストの長田広美です。」