Nitroと呼ばれた女
雨宮睦美
ジェニファー・ローレンスというアメリカの女優が私は最近お気に入りです。
10代の時、彗星のごとく映画界に現れて、若くしていくつもの賞を次々に受賞。20代のうちにアカデミー賞にすでに4回ノミネートされていた(今32歳)とか。レッドカーペットでのゴージャスなドレス姿も素敵ですが、そんなトップ女優なのにテレビのトークショーに登場してジョークを言って笑い転げたり、アメリカ版のドッキリみたいな番組で街頭に立ち、「ジェニファー・ローレンスって知ってますか?」と自ら通りすがりの人にインタビューしたりしています。しかも「さあ知らない。ジェニファー・アニストンならわかる。彼女は素敵よねえ」なんて、おばさんに言われて、「ああ、私の知名度なんてこの程度なのねー」とがっかりして見せたりする。
SNSのショートリールでしょっちゅう見ているうちに、すっかりファンになってしまいました。
ケンタッキーに生まれ育ち、どうしても女優になりたくて14歳で学校をやめ、両親を説得して家族でニューヨークに渡って、そこで本当にチャンスをつかんだというのだから大したものです。
子供の頃から好奇心が旺盛で、活発を通り越してハイパーテンションだったというジェニファーについたあだ名が「Nitro」。ニトログリセリン、つまり爆薬ですね。投薬治療まで受けたけど全然効き目がなかったと、あるトーク番組で告白して司会者を驚かせていました。
だけど考えてみたら、私は彼女の演技を一度も見たことないんです。ここ10年から15年くらい、忙しすぎる毎日で何かを減らさなくちゃ、と思って、映画やドラマを見ることを、基本的にやめてしまったからです。多分数年に1度しか映画館には行ってないし、テレビドラマもほとんど見ていない。録画機能も何年も使ってないし、もちろんネットフリックスにも縁がない。それで短尺のリールは何本も見ているんだから、結構時間を浪費してることになるんですけど。
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