田園と田園
雨宮睦美
来月、所属しているオーケストラの演奏会本番がふたつあります。
●中央フィルハーモニア管弦楽団
第85回定期演奏会
5月28日(日)14時開演@杉並公会堂大ホール
友好オケではセカンドバイオリン、中央フィルではファーストバイオリンで出演します。
ひとつでも大変なのに無茶してふたつ掛け持ちしているため、自主練習が追いつかなくて焦っています。限られた時間の中で、どうやって効率的にさらうのか、曲のイメージをどうつかむのか、試行錯誤は続きます。
さて、成り立ちもメンバーも全く異なる2つの団体なのですが、今回の曲にはちょっとした共通点があります。
まず、どちらもメイン曲が「交響曲第6番」であること。友好オケではベートーヴェン、中央フィルではチャイコフスキーの、それぞれ6番目の交響曲。ベートーヴェンはこのあとに7、8、9と交響曲を書いていますが、チャイコフスキーは6番の初演から数日後に亡くなっています。
この2曲の交響曲には共に副題がついています。ベートーヴェンの6番は「田園」、チャイコフスキーの6番は「悲愴」です。タイトル通り、うららかな明るさと、絶望的な暗さ、真逆な印象を持つ2曲です。
もうひとつの共通点は「田園」。今回中央フィルで前半に演奏する曲に、「田園組曲」というのがあるのです。作曲家のシュバリエも、この曲も、私は全く知りませんでしたが、こういう軽妙洒脱なノリを表現するのはとても難しい。からだが重くて踊りについていけないおじさん、みたいになってしまいます。
5月の田園風景は美しいでしょうね。そういう感じが少しでも出せたらいいなと思います。