アクセサリー問題



2023.04.29
雨宮睦美


イヤリング、ネックレスかペンダント、指輪にブレスレット。若い頃はこうした装身具が大好きで、いろいろ買い集めては、服装とコーディネートして楽しんでいました。。

シルバー製品は中では比較的手頃なので、デザインでわー!可愛い!なんて言って買って、あっという間に酸化して真っ黒になり、磨いては黒くなり、を繰り返しているうちに、だんだんイヤになっていきました。黄色っぽいゴールドはあまり似合わないので、そうするとホワイトゴールドかプラチナがいいんだけど、値段が可愛くありません。

でも、ある程度大人になって、いかにもメッキです!っていうフェイクばかりつけているのはどうなんだろうとか、貧相な「本物」をちまちま身につけるくらいなら、大振りのいかにもイミテーション、っていうので楽しんだほうがいいとか、いろんな説にも翻弄されながら、自分なりの好みを確立していった気がします。

ピアスを開ける勇気がないまま来たので、耳元はクリップか、ねじ式のイヤリング。クリップ式は長時間つけていると痛くて痛くて耐えられないし、ねじだと締めが甘くなって、いつの間にか落として失くす。マグネット式なんてのも出てきて、面白いから試してみましたが、これも痛くて涙目になってくるので、短時間しかつけられません。大きさ的には、「本物」を買うなら首や指より安く済むので、イヤリングはいいものを買おうなんて思っていた時期もあります。そうして奮発して買ったちっちゃなダイヤのイヤリングを、何度失くしたことか。

ネックレスは、まともに買ったらバカ高いので、冠婚葬祭用のパールさえ、もうイミテーションで済ませてしまえっていう感じ。チャームを付け替えて使うため、プラチナのチェーンは1本買いました。バブルの時代に父が取引先からもらってしまって返せなかった、いわくつきのダイヤモンドの石が家にあって、父が亡くなった時に、ジュエリーデザイナーの友人にお願いして、ペンダントトップに加工してもらいました。余談ですがあるイベントでデイブ・スペクターさんに講演をお願いした時、私は司会役だったんですが、打ち合わせで会ってすぐに「なんかすごいダイヤしてるよね」と言われて、「これバブル時代のダイヤなんですよ」と言ったら結構受けて、本番でいい感じの掛け合い漫才ができました(笑)。

指輪も、色々リフォームしたり、衝動買いしたりして、一時期両手合わせて3つくらいはしていたと思います。つけなくなったら、たまにしようとしても、指に入らないんですね。指が太くなるというより、関節がごつくなって入らない。左手の薬指は7号サイズだったのに、多分もう無理!

アクセサリーをしなくなった理由はいくつかあって、スポーツジムに頻繁に行くようになったのも大きいです。いちいち外すくらいなら、最初からしてないほうが楽だし失くしづらい。コロナで外出や人と会う機会が極端に減ったのもあります。家にいるだけなのに色々つけても仕方ない。でも最大の理由は楽器です。ピアノなら指輪と時計を外すだけでよかったけど、バイオリンはイヤリングもネックレスも邪魔になる。ぶつかると楽器もアクセサリーも傷つける可能性があるし、ついでに自分自身の肌を傷つけるリスクもあります。奏者には首元に華奢なチェーンをしている人もいるから、ちゃんと構えれば問題ないのかもしれないけど、多分私は自分の弾き方に自信がないので、弾くときはさっぱり何もしないことにしました。

少しずつ外出や交流も昔に戻りつつあるし、人と会う時などに、またアクセサリーを身につけるのもいいかなと思い始めましたが、慣れって怖いですね、大体忘れて出かけてしまうのでした。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya/


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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