奢られたくない!



2023.05.11
雨宮睦美


先日ラジオの収録の合間に恋愛談義になりました。私は、「デートで食事を奢られるのが苦手というか負担」だというようなことを口走り、「そんなこと言う女性は少数派ではないか」と言われ、確かにそうだなと思いました。

「私に財布を出させるなんてありえない!」って思っている女子はたくさんいますよね。

特に私たちの世代は、若い頃にその価値観が強かったように思います。男が女をリードするもの。お金は男が出すもの。女は可愛く従順で、庇護されるべきもの。

先輩にごちそうしていただく、とか、何かのお祝いで「今日は払わせてね」っていうのはありがたく受け取りますが、マッチョイズム(マチズモ)っていうのでしょうか。男性とデートしていて奢られてしまうと、何かこう、支配、管理される感じ(極論するとお金で買われてる感じ)に私は抵抗があって、「お金なら出しますから」と割り勘にしたくなるんです。ついでに言うと「あなたを守りたい」とか「幸せにする」という言葉が殺し文句になるということも私には理解できなくて、守ってなどいただかなくて結構、私は私でいつでも幸せですよ、と思ってししまうわけです。年を取ってきて男性のそういう対象から外れていって、心底ほっとしました。

おそらく、ずっとそんな屁理屈を言っていたから私は結婚しなかったんでしょう。結婚した/している友達を見ていると、専業主婦でも共働きでも、結局家事も育児も妻任せだし、確かにあったはずの愛も尊敬もどこかへ吹き飛んで、ただ仕方なく共同生活を続けている人は少なくない。続けるのをやめてさっぱりしちゃった人もとても多い。

そして、ほとんどの場合、女性たちに、「守らなければならないと思わせるかよわさは、微塵も感じられません。

年月が彼女たちを変えたのか、いや最初から、かよわくなんかなかったんだよねきっと。

 

収録当日、現場には50代後半の女性ふたり(私含む)と、50歳の男性、そして20代の男性がいたんですが、その若者に「さすがに今の若い人たちは、男が奢るもの、なんて思ってないですよね?」と聞いたところ、それがそんなに単純な話ではないらしい。

「少し前に元アイドルのSNSが炎上したことがあるんですが、女性は、デートの前にいろいろ準備してお金かけてるんだから、その分デート代くらい支払え、っていうのがあって、それが賛否両論なんですよ」とのこと。ああ、なんかそれ見たことある。

『デート代、なんで男が払わなくちゃいけないのって言葉 女性はそのデートの為に準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする  可愛いって言って欲しくて、その為に凄く早起きして準備してる それを考えた上で、女性に出してあげて欲しいって思う!』

これですね。反対派の中には「男だって美容室行ったり体鍛えたり金かけているんだから」っていうのがあるそうで、なんかもうそうなってくると経費かよ、って笑ってしまいますが、デートの前におしゃれしたり新しい化粧品を買ったりするのは、自分がそうしたいから、じゃないのですかねー。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya/

 

 

 

 


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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