大きな鞄を持つ女



2023.05.21
雨宮睦美


いつからだろう、バッグは「A4ファイルが入ること」を基準に選ぶようになりました。ぎりぎり入る、という程度では足りないので、すっぽり収まってくれる大きさがほしいし、マチも必要。可愛げがないから、小さなバッグと書類用を分ける、というのもやってはみたけど、折り畳み傘だのカーディガンだの、なんだか荷物が増えると面倒くさくて、やっぱり大きめのものにあれこれ詰め込むことになります。
 
一昨年から去年は、週に一度ある会社に通っていて、さらにパソコンとお弁当など持参していたので、もう、ほんとに気分はショッピングバッグ・レディ(女性の浮浪者)。
 
そして土日はオーケストラの練習で、もっと大きなサイズが必要になります。なぜなら譜面がB4だから。入り組んだバイオリン譜は細部がよく見えないので、拡大は必須なのですが、そうするとA4仕様の鞄では対応できません(しかも、拡大した上で眼鏡もないと、つらい)。スコアとか譜面台も入れるから、大きさだけでなく重さもかなりになります。一泊旅行ですか、という感じの大荷物で楽器も背負って、お願い、雨降るのはやめて!と祈りむなしく傘をさす羽目になることもあります。
 
不思議なことに、そんなに大きな荷物を持ってる割に、必要なときに肝心なものがなかったりするんですよね。財布やケータイを忘れることはなくても、手を洗ってから、あ、ハンカチない!とか、指切ったけど絆創膏がない!とか、ティッシュが!水が!のど飴が!という具合。ダメですねえ。。。
 
先日友人とクラシックのコンサートを聴きに行ったとき、いつも大きなトートを抱えてる彼女のバッグが、小さな可愛らしいものだったのを見た時、ハッとしました。私は当たり前のように仕事用のA4鞄のままだったから。
 
お出かけ用に、ビジネスや練習とは違うバッグを持つことを今年は目標にしようかしら。それには財布も手帳も小さくしないとなあ。化粧ポーチなんか、どうせ化粧直しもしないんだから、最小限でいいよなあ。
 
とか思いつつ、超軽量の素材でできた巨大なトートを、オーケストラ用に買っちゃったばかりなのです。ガシガシなんでも入るけど、大きすぎて中で持ち物がごちゃごちゃになって、改札ですぐにPASMOが出せません。
 
まあオケは仕方ないか。オフの日に小さなバッグでエレガントに過ごすための妙案があったら、ぜひ、教えていただきたいと思います。
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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