海外に住んでお友達を作ること。



2021.08.23
樋口智美


フランスに住んで、はじめてお友達になったのがこのイタリア人のジェシカです。

どうやってお友達になったのかというと、ルームシェアをしていたから。

 

フランス語も話せないのにフランスに住むことになったワタシは、

まずはこの『フランス語話せない問題』をなんとかせねば。

ということで、スイスとイタリアの国境に近いシャンベリーという町にある

語学学校に通うことにしたのです。

この街を選んだのは、かなり田舎だったので遊ぶ場所もなく、

勉強頑張るんじゃないかなってことと、学費や生活費がお安かったこと。

 

住むところは学生寮に決めてて、ジェシカはイタリアのトリノから

サヴォワ大学というところに通うため、シャンベリーの学生寮に住んでました。

 

 

 

ジェシカとは、キッチン、バスルーム、トイレを共同で使い、

それぞれに鍵のかかる部屋があるという間取りの寮で4か月間生活しました。

 

ワタシは、ホントにフランス語ゼロの状態で渡仏したので、

なんとか英語で生活を始めたのです。

ところが、シャンベリーという町はホントに田舎だったので、

ビックリするほど英語が通じない。。。

極端に言うと、This is the pen. すら通じないくらい。

 

そんな時に、ことごとく助けてくれたのがジェシカでした。

ワタシのつたないフランス語も根気よく付き合ってくれたし、

たくさんのお友達も紹介してくれました。

あれから20年近く経つけど、折に触れて連絡は取りあってます。

 

イタリア人はいい加減とか、フランス人はプライドが高いとか、

そんなステレオタイプな人にはホントに出会ったことないです。

それぞれ、きちんと将来を考えてたり、毎日の出来事に一喜一憂してたり、

美味しいものがあれば、一緒に楽しく食べようって思ったり、

悲しい時には、寄り添ってくれたり。

 

その人が生まれ育った環境でそれぞれの性格の形成ができてるので、

国民性でいい加減ってのは、ないよね。当たり前の話。

んま、日本人に比べたらかなりご陽気ですけど(笑)。

 

 

言葉は通じなくても、お互いの相性があって通じるもんなんだなと

教えてくれたのもジェシカでした。

このコロナが収束して、自由にいろんな場所に行くことができるようになったら

またぜひ、会いに行きたいと切に思います。

 

 


樋口智美

短大卒業後、11年間の銀行生活のあと、ふとした思い付きでフランスへ花留学。 パリ1区の花屋 『vertumne』にて、2年半にわたり、勤務。 シャンゼリゼ通りのLouis Vuitton 本店やMAUBOUSSINやChaumetなどのジュエリーショップの装花、Longchamp競馬場での凱旋門賞をはじめとした、各種パーティー会場の装飾などを行う。 帰国後は東京で外資系ホテル、フローリスト。帰福後独立。アトリエ一凛を立ち上げる。 2012年活躍の場が広がり株式会社ヴェルチュムを設立。 福岡市内花屋のウェディング装花コンサルティングのほか、ウェディング会場新規立ち上げ時の装花デザイン業務を行っている。


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