最後に背中を押したもの。
樋口智美
お花を活け込みに言った先週の話。
『時間あったらちょっと話していい?』
とお客さんから。
どうやら、娘さんが海外へワーホリに行きたいって言ってるそうで
20年前とはいえ、海外に住んだ経験あるでしょ?ってことで話をしたかったらしく。
何でフランス行きたかったの?とか
そもそもんなんで銀行辞めたの?
なんてことを聞かれても、もうずいぶん前の話だしなぁと思いながら思い出してみた。
フランス行きたいってなったのは、ホント些細なきっかけで、
たまたま手に取った雑誌に感化されただけなのだ。
銀行生活も、特に不満はなかったけど、一生ここで働くのは嫌だなと思ってただけで、まさかお花を仕事にするなんて、思ってなかった。
当時かなり迷いに迷ったとき、
今でいう、マインドマップ的な感じで、心の中を書き出したことがあった。
何で、そんなにフランス行きたいのか。
なんで銀行辞めたいのか。
銀行辞めるメリット、デメリット。
フランスに行くメリット、デメリット。
書き出していくうちに、自分の頭の中を俯瞰してみることができ、
心がスッキリしてきた。
そして、ただ一つ。
自分の中で残ったもの。
それが、
後悔したくない、ということ。
ここで銀行を辞めてフランス行くってこと選択しなかったとき、
なぜあのとき、私は勇気を出せなかったのだろう
といつか後悔するのではないか。
それが一番怖かった。
やった後悔より、やらなかった後悔のほうがでかいなって。
銀行を辞めてフランスに行って思うようにうまくいかなくても、
なんであたし馬鹿なことしちゃったんだろ
なんて、思わないなって、自分で確信できた。
ってなこと、30歳のころ、あたし考えてたんだなぁ。。。