逝きし世の面影
寺崎慈子
日本人の必読の一冊と言えば、この本だろう。
私が「赤ちゃんにおむつはいらない」の著者・三砂ちづるさんから
教えていただいた本だ。
その中に出てくる子どもたちは、怒られて泣いている子などなく、
見守る大人も笑顔だし、子どもも笑顔で幸せそうに遊んでいる。
江戸時代の末期の日本人がいかに幸せに暮らしていたのかが、
これでもかこれでもか!と言うほど、白人の宣教師や医者や
画家によって伝えられている。
それを丹念に膨大な資料から渡辺 京二さんが書きだしておられているのだ。
そこには、日本人が、今の日本人が忘れてしまっている礼儀正しさ、
謙虚さ、優しさを持っていたか?!が描かれていて驚かされる。
西洋化してしまう前の日本人が、実は、精神的に豊かに暮らしていたかがこれを読むと
良く分かる。日本人が失ったものの大きさが分かる。
私が常々「江戸時代の末期のような社会に」と言っているのは、この本を読んでからなのだ。
今の日本人は忘れてしまっているが、きっとDNAは覚えているはず!
だから、又この本の中に描かれている日本人に戻れる日が、いつか来ることを信じている。