一汁三菜の呪縛



2023.02.27
雨宮睦美


May be an image of food and indoorワンパターンのおばんざい

外食となるとビストロだカフェだおしゃれな店を求めて、スパークリングワインを飲まずにはいられませんが、家ではザ・和食。アルコールなし。やっとこさ自炊して料理をSNSにアップすると、皆が「偉いね」とか「美味しそうだね」とか誉めてくれるので、それで承認欲求が満たされています(笑)。
 
一度作ると翌日も同じメニューになるし、間で会食など挟まるので、大体作るのは週に2、3回。しかも自分のために食べたいものを作るだけなので、毎日毎日家族のためにずっと料理している人とは比べるのも失礼です。
それでも作るとなると「一汁三菜」という基本型から私はなかなか脱却できません。家でお酒を飲まないことも影響しているかもしれませんが、ご飯を炊いて、汁物を作って、主菜ひとつに副菜や小鉢。強迫観念のようなものがあります。規定演技だけで、フリーになるとどうしていかわからない感じ(そのたとえがわかりにくい)。
 

ワインに合う料理?

土井善晴さんという料理家が、「そんなもん、ご家庭では一汁一菜で十分なんですよ」という啓発?活動に勤しまれていて、その言葉には救われつつも、何となくやめられない。なぜなのでしょう。
 
さてそんなとき、お友達から素敵な少量ワインをプレゼントされました。赤、白、ロゼ、どれもグラス1杯分なので、ひとりでも気軽に飲めそう。家で飲まない私もこれなら!と思って今夜は珍しくパスタを茹でたのです。
 
でもなんだろう、カルボナーラのはずが焼きうどんのように仕上がったよ。スーパーでタコを買ってきてセロリとパクチーと合わせてみたのに、おばんざい感が強くておしゃれじゃない。サラダも赤白グリーンで「ああ、イタリア風にしたかったのね」という気持ちだけが先行。スープに至っては、マッシュルームやいろんなキノコでチキンブイヨンなのに、豆腐や小ネギを入れたせいか、味噌汁に見えます。結局いつもの和食と代わり映えしない!しかも1皿少ない!
May be an image of food and indoor
写真を撮って、半分くらい食べてから気づきました。あ!ワイン忘れてた!

雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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