散骨について
内野順子
こんばんは!福岡の葬儀司会者&終活カウンセラーの内野順子です。
近年では、墓じまいをなさる方も増えて来ました。お墓のお世話を、若い人たちにさせるのは大変、と思われる方や、実際問題、子どもたちが遠方に住んでいるため、お墓になかなか来れないから、という理由も多いです。
最近では、散骨される方も増えていますね。 この散骨についてお話しします。
散骨と一言に言っても、いろいろな種類があります。 ヘリコプターや飛行機から海に向かって散骨を行う「空中散骨」や粉骨したものをカプセルに詰め込んで、それをロケットで打ち上げる「宇宙散骨」。この2つはロマンがありますが、費用もかなりかかります。
ポピュラーなのは「海洋散骨」ではないでしょうか。 船をチャーターして沖合から数キロ離れた場所で行います。散骨場所に着いたら、船の上から海面に向けて遺骨を撒きます。金額的には、20万〜30万くらい。複数のご遺族が船に乗り合わせる「合同散骨」だと、費用を抑えられます。ただ、乗船できる人数がかなり限られてきますが。
散骨で気をつけておきたいことは、まず親族の同意をちゃんともらっておくこと。ご高齢の方々は、やはりお墓参りをしたい、という方も多いです。事前にきちんとお話しして、理解をいただくことが大切です。
次に、全てのご遺骨を散骨してしまうと、ご命日など節目の日に、偲ぶ拠点がなくなってしまうので、寂しく感じる方もいるようです。場合によっては、一部のご遺骨を残しておいてご自宅で手元供養するとか、ペンダントなどに加工してもらう、などもいいでしょうね。
そして、ご親族以外の方に、どこで散骨したなど、あまり詳しく話さないことです。まだまだ、散骨に対する意識は人それぞれ。あらぬ風評被害などを起こす可能性がないとはいえません。
以上のことをクリアすれば、美しい海に、大切な人の魂が眠っている、というのはいいことだと思います。ご命日には出港した港に来て、愛する人を偲ぶのもいいですね。