ホワイトデーってなんだ



2023.03.05
雨宮睦美


恋人の日のお礼?

 
1ヶ月前のバレンタインのお返しをするのがホワイトデーということになっています。そろそろです。1ヶ月早いですね。バレンタインデーの起源は、古代ローマ時代にまで遡り、当時法律で禁じられていた若者の恋愛結婚(そんなことより戦に出よ!ということらしい)を応援したため処刑された人物にちなんでいるそうです。この人がバレンタイン星人、違う、聖人であり、亡くなった日がまさに2月14日だったというわけですね。
 
欧米諸国では2月14 日は「恋人の日」として、カードや花束を主に男性が愛する女性に贈る習慣があるといいます。
 

それがどうしてチョコの日になったのか

 
恋人の日が日本では完全にチョコレートの日になっているのは、メーカーの販売戦略によるわけですけど、でもそんなうまく行くかな普通。後年定着したハロウィーンの場合、原型が海外にあったから真似のしようもあったけど、チョコを贈る、しかも女性から男性へ、という日本オリジナルの作戦が、局地的でなく全国レベルで、知らない人がいないほどの大きなイベントになったのは、ものすごいことだと思います。
 
だって、そのお返しのホワイトデーはそこまで浸透してませんよね。
 

ホワイトデーはどこから来たの

 
由来については全国飴菓子工業組合の発案だとか、和菓子屋さんのアイデアだとか言われてるそうですが、そもそも何を贈るのか、というところからしてバラバラです。商魂はあったのに実績には結びついてないということでしょうか。
 
私の記憶ではマシュマロだったり、キャンディだったり、クッキーだったり様々で、ホワイトデーは何がもらえるのか?のイメージが定まっていません。何か白いものを、ということに落ち着いたらしいのですが、どうもしっくりきませんね。バブルのときなど「下着」ってのも流行った気がするけど、こんなもの現代ではセクハラ即刻アウトです。彼氏でも夫でも何でもない会社のオジサンから、義理チョコのお返しでレースのパンツなんか贈られたら、それだけで心病む女子が増えますよ。
 
そもそも愛情とは何も関係ないところで、付き合いやしがらみに縛られて、義理チョコの調達に奔走するなんて、バカバカしいことこの上ないですよね。その割にホワイトデーの定着がいまひとつで、投資した前月の回収ができないとなれば、もうやめちゃおうかねこの習慣、というのも無理はない。
 
とは言いながら今年も近づいてきたホワイトデー。真面目にお返しを考えている人は、さて何を返礼品とするのでしょうか。

雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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