左前問題



2023.04.24
雨宮睦美


銀座の着物イベント告知が炎上?

先週末ネットニュースで見て何事か?と思ったのですが、来月開催される「銀座今昔きもの大市」のTwitter告知で使用されているポスターの着物イラストが「左前じゃないか!」としてちょっとした騒ぎを巻き起こしているのだそうです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/95a98efe0eb569713289a08d44759ae1e359a1fb

「死に装束か」「これはまずい」などと物議を醸しているイラストがこちら。

笑ってしまうのは、記事中で「写真はイメージです」と説明して掲載した着物の写真を問題のポスターと混同して、「ちゃんと右前になってるじゃないか!」と発言する人がいたり、「男と女では合わせが逆になるのだから間違ってない」と勘違いコメントする人がいたり(男と女で合わせが逆なのは洋装であって和服ではない)することです。

皆こういうのは反射的に書き込んじゃうんですね。

反射的と言えば主催者側のコメントもすごくて、取材に対して

「伝統的な着物にこだわる方が納得いかないのは分かりますが、着物を着るきっかけとして、色んなものがあってもいいでしょう。ファッションに決まりごとはなく、着物は、もっと自由にコーディネイトしていいと思っています。ポスターはイメージであって、そこに深い意味はありません」と回答しています。開き直っているようにも見えるのですがどうでしょう。

確かに時代とともに生活様式もファッションも変化していくのだから、あまり堅苦しいことを言っていては着物そのものが廃れてしまうかもしれない。でも、最低限守るべき線、というのもある気がする。

私は自分で着付けもできないし、着物の所作も身についていないし、偉そうなことを言える立場ではありませんが、そんな私でも今回このブログを書くにあたって海外のフリー素材サイトを見ていたら、へんてこりんな着物もどきばかりで埋め尽くされていて愕然としました。伝統を継承していくって、結構難しいことですね。

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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