値付けは難しい



2023.08.03
雨宮睦美


ひとりで会社をやっていて、困ることは数あれど、いつまでも慣れないことの筆頭が「値付け」です。

形のある商品を売っているわけではないから、相場感が共有しづらいのです。

インタビューだと、おおよそ時間単位でこのぐらい、まとめ報告書はこのぐらい、と基本メニューがあるのでまだよいのですが、それ以外の業務になってくると、何をどこまでやって、いくらと出すのが正解なのか難しい。

つきあいの長い相手なら、お互いこんな感じかな、というのが共有できるとして、新しい取引先から仕事を依頼されて、「お見積いただけますか」と言われたときが困る。先方の予算がどの辺なのか、見当がつかないのです。

たとえば高級店に慣れている人なら、コーヒー1杯1000円です、って言っても驚かれないけど、コンビニコーヒーが基準になっている人には怒られそうでしょう?かといってコンビニに合わせたら自分が苦しい。さてどうする?

 

それから、自分で完結しない、私がさらに外注して取りまとめる、というパターンも結構大変です。

先週は海外から「日本でこんな調査ができないか?」という問い合わせが来て、「大至急見積求む」だったのですが、ツテのある調査会社さん数社に急遽無理を言って見積を出してもらいました。

 

A社からは丁重にお断りされ、B社からは「1000万~1200万円」という総額(内訳なし)が届き、C社、D社はぞれ「300万円」「400万円」だったのです。何この幅・・・

1000万はつまり、「こんなの受けないよ」という意思表示なのかなあ、と思います。さてどうする?

 

今日は今日で、半日がかりで別件の書類を作成していました。こちらは日系企業が海外2都市でいろいろ調査したい、というオーダーへの提案書。受注先は私の会社ではなく別の企業で、私がそこのリソースを使って、社員に代わって取り回す役割です。

現地から取り寄せた見積に私の作業分、その会社の利益分を乗せて、ある程度の原価率を保ちつつ、提出する金額が妥当でなければならない、という難題。

見積書はマネーフォワードを使った定型書式で作るんですけど、複数の調査を規模別に提案するために、私史上最高に煩雑な作業!そして作成した4通りの見積は、4つとも軽々1000万円を超え、私史上最高金額をたたき出しました。

まあね、これがそのまま私の懐に入るなら張り切るけど、全くそんなことはないので、冷静に冷静に。

 

あとは計算間違いをしてないことを祈る。

 

https://www.facebook.com/mutsumi.amemiya/


雨宮睦美

マーケティングプランナー、モデレーター(インタビュアー)。 東京都出身。 1988年青山学院大学文学部卒業後、博報堂に入社しました。 国際業務局(4年間)、マーケティング局(8年間)の勤務を経て2000年に退職。 2001年に有限会社オルテンシアを設立し、前職の流れでマーケティング業務を請け負ってきました。食品、飲料、化粧品、自動車、通信機器等、様々なジャンルの企業のお仕事に携わっています。中でもインタビュー調査を得意とし、企業トップや大学教授、ジャーナリストや編集者等の有識者取材を始め、一般消費者へのグループインタビューやデプスインタビューなどで、これまでに話を聞いた人の数は、のべ数千人を超えます。


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