値付けは難しい
雨宮睦美
ひとりで会社をやっていて、困ることは数あれど、いつまでも慣れないことの筆頭が「値付け」です。
形のある商品を売っているわけではないから、相場感が共有しづらいのです。
インタビューだと、おおよそ時間単位でこのぐらい、まとめ報告書はこのぐらい、と基本メニューがあるのでまだよいのですが、それ以外の業務になってくると、何をどこまでやって、いくらと出すのが正解なのか難しい。
つきあいの長い相手なら、お互いこんな感じかな、というのが共有できるとして、新しい取引先から仕事を依頼されて、「お見積いただけますか」と言われたときが困る。先方の予算がどの辺なのか、見当がつかないのです。
たとえば高級店に慣れている人なら、コーヒー1杯1000円です、って言っても驚かれないけど、コンビニコーヒーが基準になっている人には怒られそうでしょう?かといってコンビニに合わせたら自分が苦しい。さてどうする?
それから、自分で完結しない、私がさらに外注して取りまとめる、というパターンも結構大変です。
先週は海外から「日本でこんな調査ができないか?」という問い合わせが来て、「大至急見積求む」だったのですが、ツテのある調査会社さん数社に急遽無理を言って見積を出してもらいました。
A社からは丁重にお断りされ、B社からは「1000万~1200万円」という総額(内訳なし)が届き、C社、D社はぞれ「300万円」「400万円」だったのです。何この幅・・・
1000万はつまり、「こんなの受けないよ」という意思表示なのかなあ、と思います。さてどうする?
今日は今日で、半日がかりで別件の書類を作成していました。こちらは日系企業が海外2都市でいろいろ調査したい、というオーダーへの提案書。受注先は私の会社ではなく別の企業で、私がそこのリソースを使って、社員に代わって取り回す役割です。
現地から取り寄せた見積に私の作業分、その会社の利益分を乗せて、ある程度の原価率を保ちつつ、提出する金額が妥当でなければならない、という難題。
見積書はマネーフォワードを使った定型書式で作るんですけど、複数の調査を規模別に提案するために、私史上最高に煩雑な作業!そして作成した4通りの見積は、4つとも軽々1000万円を超え、私史上最高金額をたたき出しました。
まあね、これがそのまま私の懐に入るなら張り切るけど、全くそんなことはないので、冷静に冷静に。
あとは計算間違いをしてないことを祈る。