心の恩師



2021.03.31
寺崎慈子


先日も書きましたが、3人目の子どもを失ったことがきっかけで、

アドラー心理学との出会いがありました。

嫌なことがあれば、良い出会いが必ずあるものです。

私が関わる35年前は、野田俊作という精神科医が、

日本にアドラー心理学を持ち帰ったばかりの頃でした。

今回、検索してみたらつい最近72才で亡くなったことを

知りました。

彼は大阪大学医学部卒業後、シカゴ・アドラー研究所で

         日本人で初めてアドラー心理学を学ばれた方です。

その頃、初代の日本アドラー心理学会会長をされていました。

そんな初期の頃、大阪から見える彼のオープン・カウンセリングで学ぶことができました。

野田先生に対して一人の相談者を真ん中に、

私たち学んでいる者や悩みを抱えた傍聴者が、大勢ぐる~っと取り囲んでいます。

普通、相談者は誰とも顔を合わせたくないのでは?とビックリしたのですが、

明るい笑い声までするその雰囲気に、だんだん慣れてきます。

その効果は、相談者が周りの存在から励まされることと、

悩みを持っている周りの方も聞いているだけで、

先生の答えを聞いて「あ!そうか~」と自分の悩みが解決してしまうことが多いのです。

大体悩みの中身は、似たり寄ったりですからね~

アドラー心理学は「原因は何か?」を追わなく、「これからどうするか?」

焦点を当てます。

そして、「性格は変えられる、死ぬ直前でも変えられる」と、定義しています。

あの野田先生の冷静、沈着な答え、今までの心理学にない解釈に

いつも、新鮮さと驚きを覚えたものです。

心からご冥福をお祈りします。


寺崎慈子

50歳のときに大病にかかり、入退院を繰り返す。回復後、与えられた命に感謝するとともに、「これからの人生は自分の好きなように生きよう」と心に誓う。 「自分が本当にやりたいことは何か」と自問自答した結果、“歌”と“織り”にたどりつく。 その後、シャンソン歌手と織物作家になり、両方の夢を叶える。 60歳のときに自宅を改装し、『アトリエ&かふぇ悠遊』をオープン。若い世代に食や健康に関する正しい情報を伝えるべく、さまざまなイベントや勉強会を企画・開催している。


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